COLUMN 建物トラブル解決コラム

2020.7.20

コンクリートの「欠損」と「爆裂」の違いってなに?

ひび割れ、浮き、タイル工事

コンクリート壁などに「欠損」や「爆裂」があると、危険が伴うケースもあるため、適切な補修をしなくてはいけません。

しかし「欠損」と「爆裂」には、どのような違いがあるのかわからないという人も多いのではないでしょうか?

今回は、コンクリートの「欠損」と「爆裂」はどのような違いがあるのかご紹介したいと思います。

 

コンクリートの「欠損」とは?

コンクリートの欠損とは、物理的な欠けや割れのことを指していいます。

つまり工事が完了した後、コンクリートの一部が失われた状態が見られるとそれは大小問わず欠損と呼ぶことができるでしょう。

ただし、構造の耐久性に影響を与えないような小さなものは慌てて補修する必要はありません。

 

コンクリートの欠損が起こる原因

コンクリートの欠損が起こるのは、さまざまな原因が考えらます。

考えられるおもな原因は以下の通りです。

・物理的な衝撃

地震が起こってコンクリートに揺れの力が加わったり、あるいはものが衝突したりするなど物理的な衝撃によって欠損が生じることがあります。

・凍害

コンクリートの表面には、乾燥収縮や経年劣化よってひび割れなどが起こることがあります。

寒冷地域では、ひび割れなどの隙間から水分が入り込むと凍結しますが、水分が凍結すると膨張して圧力が加わります。

凍結と溶解を繰り返すことでひび割れの規模は拡大し、ついには欠損に発展してしまうことがあるのです。

・アルカシリカ反応

アルカシリカ反応とは、骨材から溶解したシリカ(SiO2)とセメントに含まれるアルカリ金属がコンクリート内部で起こす化学反応のことをいいます。

アルカシリカ反応によってシリカゲルという物質が生成されますが、シリカゲルは水分を吸収すると膨張する性質があります。

そうなると、コンクリート内部でひび割れが起こり、さらには欠損に発展することがあるのです。

 

コンクリート欠損の補修方法

 

コンクリートの欠損を補修するときは、まず調査を行います。

目視やハンマー打診などで、欠損がある場所や欠損の恐れがある脆弱部分を特定します。

脆弱部分については、補修後に欠落することがないようはつって除去しておくことが重要です。

除去後の下地がもろいと樹脂モルタルの接着不良を起こすため、浸透形の強化プライマーを塗布します。

 

そして欠損部分に仲介接着剤を塗布し、樹脂モルタルやポリマーセメントモルタルで埋め戻します。

 

コンクリートの「爆裂」とは?

コンクリートの爆裂とは、鉄筋コンクリートの鉄筋が錆びて膨張することで表面のコンクリートを押し出す現象のことをいいます。

爆裂が起こっている場合は、構造の耐久性に大きな影響を与えることもあるなど危険性が高いため、できるだけ早く補修する必要があるでしょう。

 

コンクリートの爆裂が起こる原因

爆裂が起こるおもな原因はコンクリートの中性化です。

コンクリートの内部は通常強いアルカリ性を示しており、そのことで鉄筋は保護され耐久性も保たれています。

しかし表面のひび割れから、水分や空気中の炭酸ガスが入り込み、そこで化学反応が起こって中性に傾くようになります。

これがコンクリートの中性化です。

中性化が進行し鉄筋まで到達すると、それまでアルカリ性で守られていた鉄筋は錆びてしまうことがあり、膨張して内側から圧力を加えるようになります。

その結果、コンクリートを押し出すように破壊してしまうのです。

なお、コンクリートの中性化については「コンクリートが中性化する原因と効果的な2つの対策」の記事を参考にしてください。

また、コンクリート爆裂のリスクについては「コンクリートの爆裂はリスクが大きい?原因と補修方法を解説」の記事で詳しく解説しています。

 

コンクリート爆裂の補修方法

コンクリートの爆裂を補修するときもまず調査から行いますが、爆裂だけでなく欠損やひび割れなど、危険な箇所はチェックして補修することになります。

目視やハンマー打診などで、錆び汁や鉄筋の露出など爆裂が発生している場所や欠損の恐れがある脆弱部分を特定します。

爆裂が起こっている箇所は、再発しないよう適切に鉄筋を処理することが非常に重要です。

補修箇所のコンクリートをはつって除去し、鉄筋を露出させて錆び落としと防錆び処理をします。

 

そして欠損部分に仲介接着剤を塗布し、樹脂モルタルやポリマーセメントモルタルで埋め戻します。

 

コンクリートの欠損と爆裂のまとめ

コンクリートの欠損や爆裂などは、放置すると危険性が高いものがあります。

また規模が小さなものでも経年とともに大きくなるケースもあるため、経過を観察しておく必要があります。

そういう意味でも、定期点検とメンテナンスをすることが重要なのです

適切なメンテナンスを続けることで、さまざまなリスクを回避し、さらには資産価値の維持にもつながるでしょう。

弊社では、コンクリートのひび割れに関する点検や補修工事を行っています。 ぜひお気軽にご相談ください。

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