COLUMN 建物トラブル解決コラム

2024.1.23

【左官に関する豆知識】骨材の種類と特徴

建物トラブル解決コラム

これまでに、左官材料の「固化材」「スサ」「色土」について紹介してきましたが、今回は「骨材」について詳しく掘り下げていきます。

【左官に関する豆知識】固化材の種類と特徴

【左官に関する豆知識】スサ・色土の種類と特徴

左官材料「骨材」とは?

骨材(こつざい)とは、コンクリートやアスファルト混合物を作る際に用いられる材料である砂利や砂などの総称です。

コンクリートの場合、主にセメントと骨材と水を混合して造られるのですが、骨材はコンクリートの総量のうち6~8割を占めるため、コンクリートの品質は骨材の品質に大きく左右されます。

【種石】

種石とは大理石や花崗岩などの天然石を一粒5mm程度まで細かく砕いたものを指します。

セメントモルタル仕上げなどに混入する場合は、収縮によって石が取れてしまうことを防ぐために石自体に収縮がないもの、鉄部に接した際に腐食しないよう塩分が少ないものを選びましょう。

モルタル洗い出し仕上げに使用する場合は、30mm以下の種石を使用し、丸みを帯びたもののほうが鏝が引っかからず作業しやすいです。

・那智石
那智石(なちいし)は、和歌山県那智勝浦町周辺で産出される特産の石材の一種です。
那智地域は、古くから石仏や石垣、庭石などに使用されるために那智石が採掘され、使われてきました。
那智石は、一般的に灰色や青灰色の地色を持ち、表面には独特の模様や筋が入っており、美しい風合いがあります。

・大磯砂利
大磯砂利(おおいそじゃり)は、神奈川県の大磯地域で産出される濃緑色の砂利の一種です。
大磯砂利は、その堅牢な性質から建築や土木工事、庭造りなどさまざまな用途に利用されており、洗い出し仕上げの定番となっています。

・寒水石
寒水石(かんすいせき)は、茨城県日立市助川付近に産出する大理石の一種です。
白色や濃緑色・灰色の縞模様があり、大きさの種類が豊富で、仕上げに使用されます。

・南部砂利
南部砂利(なんぶじゃり)は、京都南部で産出される石材の一種です。
錆色に茶系の色が混ざっている玉砂利で、控えめで上品な色彩が特徴的です。
敷き砂利、洗い出し等に広く利用されています。

【砂・珪砂】

左官では砂を骨材として使用します。

左官で使用する砂は鉄分や塩分、ゴミなどの不純物が入っていない川砂を使用するのが望ましいのですが、環境保護の観点から産出しにくくなっており、海砂から塩分を取り除いたものを川砂と混合して使用することもあります。

・川砂
川砂は主に河川から産出される砂のことで、川床で水によって摩擦や風化を受けた結果、自然にできた砂のため、通常は丸い形状の粒子が多く、粒度も比較的均一です。
川砂は水による摩擦や風化が加わって自然にできたものなので、天然の砂利や砂よりも強度や耐久性が高く、建築資材やコンクリートなどに利用されます。

・珪砂
珪砂(けいしゃ)は主に珪酸鉱物からなる砂で、硬度が高く、粒子が細かいことが特徴です。
耐摩耗性、耐薬品性、耐熱性、耐火性に優れており、厨房や工場のエポキシ塗り床の骨材に使用されたり、タイルの張り付けモルタル、インターロッキングの目地材にも使用されます。

・深草砂利
深草砂利は京都伏見深草の浅黄色を呈した土で、文化財などの三和土(たたき)で使われる最も有名なたたき土です。

【軽量骨材】

砂や砂利など密度が高いものを重量骨材と呼ぶのに対し、パーライト、バーミキュライトなど密度が低いものを軽量骨材と呼びます。

・パーライト
パーライトは、火山岩が高温で急激に冷えることによって生じる火山ガラスの一種です。
このプロセスでガスが閉じ込められ、微細な気泡ができ、膨張性が生まれます。
パーライトは非常に軽量であり、多孔質な構造のため断熱性にも優れているほか、無機物で構成されているため、耐火性もあります。

・バーミキュライト
バーミキュライトは主に、マグネシウム、鉄、アルミニウムなどの元素からなる鉱石が、高温で膨張してできるものです。
この膨張により、多孔質で軽量な構造が形成されます。
バーミキュライトは軽量で断熱性・保温性・吸音性に優れているため、壁や屋根の断熱材として広く使われています。

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