2026.1.5
なぜ雪で雨漏りするの?仙台の気候が生む「すが漏れ」の恐怖
仙台にお住まいで、「冬になると天井にシミができる」「雪が降った後にだけ雨漏りがする」といった悩みを抱えている方は少なくありません。
実は、仙台特有の気候条件は、通常の雨漏りとは異なる「すが漏れ」という現象を引き起こしやすい環境にあります。
今回は、仙台の冬に潜む雨漏りのリスクと、その最大の原因である「すが漏れ」の恐怖について、徹底的に解説します。
仙台の雪と気候が引き起こす特殊な雨漏り「すが漏れ」の正体

東北地方の中でも、仙台市は比較的雪が少ない「裏日本型」とは異なる気候だと言われます。
しかし、この「積雪量はそれほど多くないが、冷え込みが厳しい」という環境こそが、雨漏り(すが漏れ)の温床となります。
「すが漏れ」とは?
「すが」とは、東北地方の方言で「氷」を意味します。
つまり、すが漏れとは「氷による雨漏り」のことです。屋根に積もった雪が、室内の熱や日中の日差しで溶け出し、それが軒先(屋根の端)で再び凍りついて「氷の堤防(アイスダム)」を作ります。
この堤防によって行き場を失った融雪水が、屋根の隙間から室内へ逆流してくる現象を指します。
なぜ仙台では雪による雨漏りトラブルが急増するのか
仙台の冬は、氷点下まで下がる夜間と、日中の穏やかな気温の差が激しいのが特徴です。
この寒暖差が、すが漏れを誘発する最大の要因です。
仙台特有の「重い雪」と「凍結」のサイクル
仙台に降る雪は、北海道などのパウダースノーとは異なり、水分を多く含んだ「湿った雪」であることが多いです。
この重い雪が屋根に滞留し、夜間に凍結して強固な氷の塊となります。
屋根の断熱が不十分だと、室内の暖房の熱が天井を伝わって屋根板を温めてしまいます。
すると、屋根の上の雪は下から溶け始めますが、軒先は外気にさらされて冷たいため、溶けた水が再び凍ります。
このサイクルが繰り返されることで、氷の堤防が巨大化し、逃げ場を失った水が瓦の重なり目や板金の継ぎ目から家の中へと浸入してくるのです。
仙台で雨漏りと雪の被害に遭いやすい家の特徴とは

すべての家が雪で雨漏りするわけではありません。
仙台の街並みを見てみると、特に被害に遭いやすい住宅には共通点があります。
・屋根の勾配(傾斜)が緩い
屋根の勾配(傾斜)が緩い屋根は、水が流れにくく、雪が長期間留まりやすいため、すが漏れのリスクが高まります。
・断熱性能の低下
築年数が経過し、屋根裏の断熱材が劣化している家は、室内の熱が屋根に伝わりやすく、雪を不自然に溶かしてしまいます。
・複雑な屋根形状
「谷」と呼ばれる部分がある屋根や、ドーマー(屋根窓)がある形状は、雪が溜まりやすく、氷の堤防ができやすいポイントです。
放置は厳禁!仙台で降る雪が原因の雨漏りが招く二次被害とは
「雪が溶ければ雨漏りも止まるだろう」と放置してしまうのが、最も危険な判断です。
雪による雨漏りは、単に部屋が濡れるだけでなく、家の寿命を劇的に縮める原因となります。
構造材の腐食とカビの発生
壁の内部や屋根裏に浸入した水分は、なかなか乾燥しません。
湿った状態が続くと、家を支える重要な柱や梁が腐食し始めます。
また、断熱材が水を吸ってしまうと断熱性能が失われ、さらに雪が溶けやすくなるという悪循環に陥ります。
さらに、湿気はカビやダニの発生を促し、住む人の健康(アレルギーや喘息)にも悪影響を及ぼします。
仙台の湿潤な冬の空気の中では、一度発生したカビを完全に除去するのは容易ではありません。
仙台の厳しい雪に備えて実践すべき雨漏り対策と点検方法

雪が降ってから慌てても、屋根の上は滑りやすく危険なため、応急処置すら困難になります。
本格的な冬が来る前に、以下の対策を検討しましょう。
・落ち葉やゴミの清掃
軒樋(のきどい)にゴミが溜まっていると、水が流れず凍結を促進させます。
秋のうちに掃除を済ませておくことが重要です。
・屋根裏の換気・断熱の改善
屋根を冷たく保つために、屋根裏の換気口を点検し、熱がこもらないようにします。
これが根本的なすが漏れ対策になります。
融雪ネットやヒーターの設置 氷ができやすい軒先に融雪ヒーターを設置することで、排水路を確保し、水の逆流を防ぐことができます。
仙台で雨漏りと雪の悩みを解決するために
仙台という地域で長く快適に暮らすためには、冬の「すが漏れ」対策を避けて通ることはできません。
もし、雪が降った後に天井に異変を感じたら、それは家からの重要なサインです。
雪による雨漏りは、通常の雨漏りと原因が異なるため、知識のない業者では適切な修理ができないこともあります。
仙台の気候を熟知し、雪害のメカニズムを理解している専門家に相談することが、大切なマイホームを守る第一歩となります。
今一度、あなたのご自宅の屋根を見上げてみてください。
今年の冬を安心して過ごすために、早めの点検と対策をおすすめします。