COLUMN 建物トラブル解決コラム

2023.5.22

外壁塗装を行う前に知っておきたいアスベストの危険性

塗装、外装工事

建物の解体やリフォームで気になるものといえば「アスベスト」です。

アスベストは、かつて建築や工業製品で使用されていた一種の鉱物繊維です。

アスベストには、耐熱性、耐火性、電気絶縁性、耐腐食性などがあり、建築材料や断熱材、防音材、電気製品の絶縁材、自動車部品などの製造に広く利用されていましたが、空中に飛散したアスベストを長期間大量に吸引することで、肺がんや中皮腫(胸膜や腹膜のがん)の発症リスクが高まるとされ、アスベストを含む建材の製造や使用は、2006年9月1日に全面的に禁止されました。

今回は、このアスベストについて解説していきます。

外壁塗装を行う上でアスベストに注意することはある?

建物の年代を確認する

アスベストは1980年代まで広く使用されていたため、建物の年代を確認することが重要です。

特に古い建物ではアスベストが含まれる可能性が高くなります。

アスベスト調査を実施する

建築物を施工した建設業者又は工務店、あるいは分譲住宅等を販売した宅建業者に問い合わせをし、設計図書で確認することができます。

ただし、後の改修工事や補修工事でアスベストが使用された可能性もありますので、アスベスト調査の専門家に依頼することをおすすめします。

アスベストは飛散のしやすさによってレベル1~3に分類されています。

レベル1(最も危険)
レベル1に分類されるのは、集合住宅やビルなどの建築物によく使われていた吹き付け材です。
経年劣化によって少しの振動でもボロボロと崩れてくる恐れがあり非常に危険です。

レベル2(とても危険)
レベル2に分類されるのは、保温材や断熱材として鉄骨の柱や梁などに使われていた貼り付け材です。

レベル3(やや危険)
レベル3に分類されるのは、屋根材や壁材として使われていた成形板です。
レベル1・2と比較して飛散リスクは低いのですが解体時には注意が必要です。

 

アスベストを除去する

アスベストが検出された場合、アスベスト除去や適切な処理が必要です。

アスベスト除去は特殊な技術と装備を要するため、専門の業者に依頼することが重要です。

30坪程度の住宅の屋根であれば10~20万円程度、外壁であれば20~30万円程度の撤去費用が掛かります。

屋根材にアスベストが使われているけど問題ない?

アスベストを含む建材の製造や使用は、2006年9月1日に全面的に禁止(労働安全衛生法・第55条)されましたが、2006年9月1日時点で、既に建材として建物に組み込まれている物については、同日以降引き続き使用されている間は、法第55条の規定は適用されませんので、ご自宅の屋根にアスベストが含まれていても問題はありません。

ただし、アスベストは微細な繊維を含んでいますので、これが台風や地震などによって破損し、繊維が空中に舞い上がってしまった場合、アスベスト繊維を吸い込んでしまう危険性があります。

そのため、アスベストが含有された屋根をそのまま使用する場合、屋根の状態を定期的に点検し、損傷や劣化がないか確認するようにしましょう。

もし屋根が損傷していたり、アスベスト繊維が露出している場合は、専門業者に相談し修理や対策を検討する必要があります。

また、解体やリフォームなどを行う際には、アスベスト屋根の繊維が周囲に飛散しないよう、適切な対策を講じる必要があります。

外壁塗装を行う前に知っておきたいアスベストの危険性 まとめ

令和4年4月1日から解体・改修工事を行う施工業者は、アスベスト含有建材の有無の事前調査結果を都道府県等に報告することが義務づけられています。

アスベストが含まれていることを知らずに解体や改修工事などを行ってしまうと、そこから発生する粉じんによって、作業者や近隣住民の方がアスベスト繊維を吸い込んでしまう危険性がありますし、アスベストを含んだ廃棄物がリサイクル施設で破砕処理されることによって、アスベスト含有建材の拡散にも繋がってしまいます。

2006年以前に建てられた建物の解体やリフォームを行う際には、アスベストが含まれている可能性を念頭に置き、信頼できる業者にご相談ください。

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