外壁に使用される防水シートの種類は?寿命はどれくらい?

2022.11.5

外壁(サイディングやモルタル外壁)の下には、雨漏りや結露から建物を守るための防水シートが貼られています。

雨水のほとんどは外壁(一次防水)によって防ぐことができるのですが、外壁材やコーキングが劣化していたり、台風などで猛烈な雨が吹き込むことによって外壁では防ぎきれない場合があります。

そんな時に建物を守ってくれるのが、防水シート(二次防水)です。

外壁は一次防水(外壁材)と二次防水(防水シート)の2段階で雨水の侵入を防いでいるんですね。

そこで今回は、普段目にすることはないけれど建物にとって重要な防水シートの役割について紹介していきたいと思います。

外壁に使用される防水シートの種類

防水シートは主に「透湿防水シート」と「アスファルトフェルト」の2種類あります。

3~40年程前まではモルタル外壁が主流でしたが、現在ではサイディング仕上げが一般的となったため、アスファルトフェルトよりも透湿防水シートを用いた通気工法が一般的です。

透湿防水シート

透湿防水シートはポリエチレン不織布でできたシートで、雨水の侵入を防ぎながら室内の湿気は屋外に逃がすことができるといった特徴があり、サイディング仕上げの外壁に用いられます。

夏は涼しく冬は暖かいといった高気密高断熱の住宅の場合、外気との温度差が大きくなりやすいため、外壁内部で結露が起こりやすいというデメリットがあるのですが、透湿防水シートを貼ることによって湿気を屋外に逃がすことができます。

アスファルトフェルト

アスファルトフェルトは、古紙に繊維のくずを混ぜた原紙(フェルト)にアスファルトを染み込ませた防水紙で、雨水の侵入を防ぐだけでなく湿気も逃がさないといった特徴があり、水分や湿気に弱いモルタル仕上げの外壁に用いられます。(モルタル仕上げの外壁で透湿防水シートを使用してしまうと、壁の内側に水分が入り込んで腐食の原因になってしまいます。)

通気工法

通気工法とはサイディングと防水シートの間に通気胴縁という木材を挟んで外装材の裏側に通気層を設ける工法で、通気層を設けない工法を直貼り工法といいます。

湿気の逃げ道がないと内部結露が起こりやすくなるため、外壁表面に膨れや剥がれなどといった不具合が起こる可能性があり、2009年に施行された住宅瑕疵担保履行法によって外壁がサイディング仕上げの場合、通気層を設けないと瑕疵担保保険に入れなくなりました。

ご自宅のサイディングが通気工法か直貼り工法かチェックしたい場合は、サイディングの一番下にある金属の部材「水切り板金(土台水切り)」と、サイディングの隙間に薄いカードなどを差し込んでみて、奥行きが2cm以上あるかチェックしてみましょう。

一般的なサイディングボードの厚みは1.2~1.6cmのため、奥行きが1~1.6cm程度しかない場合は、直貼り工法で施工された可能性があります。

 

外壁に使用される防水シートの寿命

透湿防水シートの寿命は長いもので20年程度あるのですが、透湿防水シートが裏表逆に貼られていた築15年のお宅では、サイディングの全面貼り替えとなってしまったケースがありました。

通常、透湿防水シートというのは商品名などが印刷された面を外側(外壁側)にして貼り付けることで、「雨水の侵入を防ぎながら室内の湿気は屋外に逃がす」という機能を発揮させることができるのですが、表裏を逆にしてしまったことで効果も逆になってしまい、サイディングの全面貼り替えが必要になるほど劣化してしまったのです。

また、防腐防蟻剤の中には防湿防水性能を著しく低下させてしまうものもあります。

日本透湿防水シート協会では、「防蟻・防腐剤が十分に揮発した構造材を使用する限り、透湿防水シートへの影響はほとんど無いものと考えられておりましたが、構造材のみならず通気胴縁に対しても防蟻・防腐処理されるケースが増加しており、雨水に晒され溶け出した防蟻・防腐剤が透湿防水シートの防水性を低下させるリスクが高まってきております。」と注意を促しています。

正しい情報を把握していて、施工管理がきちんとなされている業者選びをすることが大切です。