COLUMN 建物トラブル解決コラム

2020.5.12

外壁タイルはメンテナンスフリーではない?効果的なメンテナンス方法とは?

不動産、テナントビル

マンションなど集合住宅では、磁器質タイル仕上げの外壁が非常に多く見られます。

外壁の磁器質タイルは、見た目にも美しく高級感のある印象を与えられることが大きな特徴です。

また同時に、磁器質タイルはメンテナンスの必要がなく、コストがかからない仕上げ材だと考えている人も多いようです。

しかし磁器質タイル仕上げであっても、メンテナンスをしなくてもよいということではありません。

劣化状況を見きわめ適切なメンテナンスをすることで、美しい外観や建物の資産価値を維持することが可能になるのです。

今回は外壁の磁器質タイルはなぜメンテナンスが必要なのか、またその方法についても解説したいと思います。

 

外壁磁器質タイルのメンテナンスが必要な理由とは?

磁器質タイルは無機物であるため、紫外線や雨、汚れなどの外的な要因の影響を大きく受けることはありません。

つまり磁器質タイルは圧倒的な耐久性を有し、劣化しにくい特徴があるということです。

その他の特徴として、キズが付きにくいことや耐水性が高いことなどが挙げられますが、これらのことからも非常に優秀な外壁材といってよいでしょう。

ではなぜタイル仕上げの外壁でメンテナンスが必要になるのでしょうか?

外壁磁器質タイルでメンテナンスが必要な理由とは以下の3点です。

  • ・目地材が劣化する
  • ・下地材が劣化する
  • ・汚れる

 

目地材が劣化する

タイルの目地には専用の目地材のほか、モルタルやシーリングなどが充填されますが、これらはいずれも経年とともに劣化します。

目地材が劣化すると、ひび割れが発生し水分を侵入させる原因になります。

これら目地材は、劣化が著しく進行する前にメンテナンスをすることが重要です。

 

下地材が劣化する

外壁タイルの施工方法は大きく分けて「湿式工法」と「乾式工法」に分けられますが、いずれも下地に使用する材料が経年とともに劣化します。

「湿式工法」とは、モルタルの下地の上にタイルを貼りつける工法です。

このモルタル下地は、乾燥と硬化によって伸縮への追従性が失われてしまうため、目地に隙間ができてしまったり、あるいはひび割れが発生したりします。

「乾式工法」とは、弾性接着剤を用いてタイルを貼りつけるという工法です。

弾性接着剤も、紫外線や気温、湿度、経年などによって徐々に劣化してしまうため、メンテナンスをしないとタイルの剥離や剥落を招きます。

なお、現在は伸縮への追従性が高い弾性接着剤を使用する「乾式工法」が主流となっています。

 

汚れる

立地によって差はありますが、タイルも汚れます。

あまり汚れ過ぎると、古ぼけた印象を与えるなど見た目にもマイナスです。

定期的に掃除をするなどお手入れをすることで、きれいな状態を保つとよいでしょう。

また、セルフクリーニング機能のあるタイルであれば、雨でほこりや汚れを浮かせて洗い流すため、汚れにくくすることも可能です。

しかし、セルフクリーニング機能のあるタイルでも一部落ちにくい汚れはあることは注意が必要です。

 

外壁磁器質タイルのメンテナンス方法とは?

外壁が磁器質タイル仕上げであってもメンテナンスは必要です。

使用する目地材やシーリングの種類によっても変わりますが、やはり10年程度を目安として外壁の点検を実施し、劣化状況に応じたメンテナンスをするとよいでしょう。

おもなメンテナンスの方法は以下の3点です。

  • ・保護塗装
  • ・補修
  • ・洗浄

 

保護塗装

まずは、タイル表面に保護塗装をする方法です。

タイルは劣化しにくいため、基本的に塗装する必要がありません。

ただし撥水や汚れの付着防止、そして目地材の劣化抑制などを目的として保護塗装をすることは効果的です。

透明のクリヤー塗料を使用するため外観が大きく変わることはないうえ、ツヤを出して高級感を増すこともできます。

 

補修

外壁の劣化が破損などの症状がある場合に補修するという方法です。

おもに目地材やシーリングの劣化が進行している場合は、打ち替える必要があります。

また、タイルが浮いている場合は、剥がれ落ちて第三者へ損害を与えかねないため、早急に適切な方法で補修しなければいけません。

タイル浮きの補修にはいくつかの方法がありますが、代表的なものといえば以下の通り3つです。

張り替え

タイルを部分的に剥がして、新しく張り替える方法です。

 

ピンニング工法

タイルの浮きがある部分に専用工具を使ってエポキシ樹脂を注入し固める方法です。

外観は、以前と変化することなく補修ができる方法になります。

 
ピンネット工法

まず、浮いた部分と躯体を専用ピンで固定します。

そしてその上からガラス繊維のネットで覆ってポリマーセメントモルタルを塗り、最終的に塗装で仕上げる方法です。

外観は、以前と違ったものに生まれ変わる補修方法になります。

 

なお、タイル浮きの原因や補修方法などは「タイル浮きの原因は?補修方法や調査方法にはどんなものがある?」の記事で詳しく解説しています。

 

洗浄

外壁面を高圧洗浄し汚れを落とします。

高圧洗浄では落ちにくい汚れがある場合は、薬品を使ったバイオ洗浄をすることで効果的に洗い落とせます。

 

外壁タイルメンテナンス:まとめ

外壁が磁器質タイル仕上げでも定期的なメンテナンスは必要です。

10年程度を目安として点検を実施し、コンディションチェックをしておくとよいでしょう。

外壁磁器質タイルの点検や建物調査は、弊社までお気軽にお問い合わせください。

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