タイル浮きの原因は?補修方法や調査方法にはどんなものがある?

2020年3月13日


 

タイル浮きとは?

タイル浮きとはコンクリート構造物と、貼り付けられたタイルやモルタルなどの外壁仕上げ材との間にできた隙間(浮き)のことを指します。

 

陶片浮き

陶片浮きは、タイルが接着用のモルタルから剥離している状態のことを指します。

 

下地浮き

下地浮きは、モルタルがコンクリート構造物から浮いている状態のことを指します。

タイル浮きが確認された場合は剥落事故を防ぐために早急な工事が必要です。

 

 

タイルはモルタルなどの外壁仕上げ材を介してコンクリート面に固定されるため、通常はモルタルとコンクリートの剥離によって浮いた状態(下地浮き)になることが多いのですが、稀にタイルとモルタルが剥離することがあります(陶片浮き)。

下地浮きの場合、エポキシ樹脂の注入やピンニング工法によってタイルの剥離を修復することが可能ですが、陶片浮きの場合、タイルとモルタルの間にエポキシ樹脂を注入しづらいため、タイルの張り替えが必要になってしまいます。

また、下地浮きの場合でも浮き枚数が少ない場合はエポキシ樹脂が注入しづらいことがあるため、一番確実に補修を行える張替えをおすすめすることがあります。 なお、タイル浮きが確認された場合は剥落事故を防ぐために早急な工事が必要です。

 

タイル浮きの補修方法

補修方法にはアンカーピンニング工法、塗替え(張替え)工法、外壁複合改修構工法(ピンネット工法)などがあります。

 

アンカーピンニング工法

浮きが発生している箇所にエポキシ樹脂などの接着剤を満遍なく充填し、補強用のステンレスピンを埋め込んで浮き部全体をアンカーピンと接着剤で固定させる工法です。

接着剤とアンカーピン、二重の補強によってタイルの剥落を防ぎます。

 

張替え工法

比較的広範囲にわたって浮きの症状があり、打撃や揺れなどによって剥落する恐れがある場合に適用される工法です。

 

外壁複合改修構工法(ピンネット工法)

アンカーピンで固定し、ネットで補強することで剥落を防ぐ工法です。

外壁全体を被覆するため発生している浮きだけでなく、潜在的な浮きの剥落を防止する効果も期待できます。

なお、躯体コンクリートがひび割れている場合はコンクリートの内部に雨水が侵入しないよう早急な補修工事が必要となります。

 

エポキシ樹脂注入工法

ひび割れしているコンクリートの内部にエポキシ樹脂を注入し防水処理を施す工法です。(0.1mm以下のひび割れには適していません)

タイル表面にひび割れ跡が残ってしまうため美観は損なわれてしまいます。

 

タイル除去Uカットシーリング工法

ひび割れしている部分のタイルと下地を撤去した後、シーリング材を充填し新しいタイルを張り付ける工法です。 タイルの在庫があれば既存のタイルとの差異は比較的少なくて済むのですが、経年劣化のタイルと新品のタイルとでは多少の差異は生じてしまう恐れがあります。

 

タイル浮きの原因とは?

タイル浮きの原因にどのようなものがあるのか一例を紹介します。

経年劣化(日照)

日照によって膨張と縮小を繰り返すことで付着力が低下し浮きが発生します。

 

地震

揺れや歪みなど、外力が加わることで付着力が低下し浮きが発生します。

 

湿度

目地からの吸水・乾燥によって膨張と収縮を繰り返すことで付着力が低下し浮きが発生します。

 

施工不良

剥離剤が残留していたり、たたき不足(圧着不足)などが原因で浮きが発生します。

 

モルタルの質

質の悪いモルタルで接着した場合、浮きが発生する可能性があります。

また、ドライアウトによるモルタルの硬化不良や強度不足もタイル浮きの一因とされています。

 

コンクリート構造物からの影響

コンクリート構造物にひび割れなどが生じるとその影響でタイルに割れや浮きが発生する可能性があります。

コンクリート構造物からの影響で浮きが生じている場合は危険度が高い状態ですので、早めに専門家に診断してもらうことをおすすめします。

なお、コンクリートのひび割れ補修に関する詳しい内容は「【コンクリートひび割れ】発生原因と補修方法!適切な補修材は?」の記事を参考にしてください。

 

タイル浮きは音でわかる?

タイルやモルタルの浮きは打診棒でタイルを叩き、音で症状を診断します。

タイルのみが浮いている場合、金属音に近い高い音が響くのに対して、モルタルとコンクリート構造物の間が浮いているような場合は、ボコっとした低音になります。

タイルとタイルの目地が割れている、タイルが何枚か剥落しているといった、すでに何らかの不具合が現れている場合は、かなり症状が進んでしまっている可能性がありますので、大きな事故が起きる前に早めの点検・ご相談をご依頼ください。

 

タイル浮きの調査

タイル浮きを調査するには、専門の業者に依頼するのが確実です。

調査方法は、目視調査と打音調査で行われるほか、赤外線サーモグラフィを使った赤外線画像診断を行う場合もあります。

平成20年に建築基準法第12条が改正され、竣工後10年を超えるビル、マンション等の特定建築物は「外壁全面診断」が必要となりました。

ビルなどの大きな建物の場合、打診棒による調査だと足場やゴンドラを設置しなければいけないため費用が高くなってしまうのですが、赤外線画像診断を利用することで費用を大幅に下げることが可能です。

ただし、検知する際に障害物があると検出感度が低下してしまうほか、仰角や測定面に対する角度が大きいと測定誤差も大きくなるなどといった不確実さもあるため、外壁全面診断を行う理由が補修工事をする為に行うのか、特定建築物定期報告の為に行うのかによって調査方法を決めるのがおすすめです。

 

外壁全面診断とは?

劇場、映画館、百貨店、病院、ホテル、共同住宅等の特殊建築物に類する一定規模以上の建物は、不特定多数の人々が利用するため、災害が起こった際には大惨事になる恐れもあります。

平成20年4月1日以前も外壁診断義務はありましたが、怠った場合の罰則は設けられておらず、定期報告が適切に行われていなかったことが一因と思われる事故が多発していたことから、定期報告の調査・検査の項目、方法、判定基準を法令上明確にし、定期報告を行わなかったり、虚偽の報告を行った場合は、罰則の対象(百万円以下の罰金)となりました。

外壁全面診断の対象となっている建物は以下になります。

・特殊建築物定期調査の部分打診、目視等により異常が認められたもの

・竣工後10年経過した建築物

・外壁改修等から10年経過した建築物

・外壁全面打診調査後10年経過した建築物

外壁というのは常に日照や風雨に晒されているため最も劣化しやすく、劣化したタイルやモルタル等の剥落事故によって死傷事故に繋がってしまう恐れもあります。

定期的に外壁診断を行うことによって事故を未然に防ぐことができますし、早期に劣化部分を補修・改修することによって建物の耐久性を伸ばすことができます。

また、大掛かりな修繕工事になると改修費用も高額になってしまいますが、こまめに補修をしておくことで修繕費用を抑えることができるというメリットも考えられます。

ご自身が所有する建物が調査義務があるのか分からないという方は、外壁全面診断の対象となっている建物なのかお調べ致しますので、まずは弊社までお気軽にお問い合わせください。

 

打音調査

打診棒や打診ハンマーを用いてタイルの浮き・剥離を検知する方法です。

打音調査では精度の高い結果が得られると同時にひび割れや目地の確認、白華現象(エフロレッセンス)などの調査も行えるといったメリットもあります。

 

赤外線画像診断

赤外線サーモグラフィと呼ばれる赤外線カメラを用いた調査方法です。

タイルが剥離している箇所には空気層ができるため、剥離していない箇所と比べると日射による熱上昇が大きくなるという性質を利用して調査を行います。

ビルなどの大きな建物の場合、打診棒による調査だと足場やゴンドラを設置しなければいけないため費用が高くなってしまうのですが、赤外線画像診断を利用することで費用を大幅に下げることが可能です。

ただし、検知する際に障害物があると検出感度が低下してしまうほか、仰角や測定面に対する角度が大きいと測定誤差も大きくなるなどといった不確実さもあるため、外壁全面診断を行う理由が補修工事をする為に行うのか、特定建築物定期報告の為に行うのかによって調査方法を決めるのがおすすめです。

 

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ヤブ原産業株式会社仙台支店 支店長 横山浩(よこやまひろし)

外壁塗装アドバイザー。外壁塗装プロデュース業25年。手掛けた物件は、のべ1,300件以上。

1968年岩手県生まれ。農林水産省林野庁森林管理局勤務を経て、1993年ヤブ原産業入社。外壁塗装の専門家。

得意とする仕事は、良質な外壁塗装を通じた投資物件価値の維持。外壁塗装サイクルの改善、提案。外壁リフォームの総合プロデュースなど多岐に渡る。

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