COLUMN 建物トラブル解決コラム

2023.3.3

外壁のチョーキングとはどんな現象?チョーキングを抑制する方法はある?

塗装、外装工事

外壁塗装というと美観目的で行うものだと思われている方もいるかもしれませんが、外壁塗装を行う最大の目的は建物を雨(腐食)から守ることにあります。

新築で購入した家も経年による劣化は避けられません。

外壁や屋根の塗膜には雨や紫外線から建物を守る働きがあるのですが、塗膜は時が経つにつれ劣化し、色はくすみ、防水機能も落ちていきます。

そのため、塗膜の劣化を見極めるには外壁や屋根がくすんでいないか、というのが1つのポイントとなります。

また、外壁を手で触ってみて粉のようなものが付着するかしないか、というのも劣化を見極めるポイントとなります。

粉のようなものが付着する現象のことを「チョーキング(白亜化)現象」といいます。

雨や紫外線によって塗料に含まれている合成樹脂が分解され、外壁の表面に白色顔料(酸化チタン)が粉状になって現われたものです。

そのため、チョーキング現象は白系や淡い色の塗料で起こりやすくなります。

濃色系の塗料を使えばチョーキングは起こらないのでは?と思われるかもしれませんが、濃色系の塗料であっても白色顔料が含まれている可能性はありますので、劣化するスピードが遅くなる程度に捉えておきましょう。

チョーキング現象発生のメカニズムとは?

チョーキングとは、顔料の中にある酸化チタンが紫外線を受けることによって空気中の酸素や水と化学反応を起こし、樹脂を破壊するラジカルという物質を発生させ、結合構成が破壊されることで起こります。

 

外壁のチョーキングが起こりやすい条件とは?

チョーキング現象の引き金となるのは、紫外線、雨、空気中の酸素であることから、日当たりが良い南側や、西日が当たる外壁、2階や3階、軒天井による日陰ができないバルコニーの壁などに起こりやすいです。

外壁のチョーキングを抑える方法

チョーキングの発生を抑制するにはラジカル塗料がおすすめです。

ラジカル塗料というと、シリコン塗料やフッ素塗料のように、その物自体が含まれているのではないかと勘違いしてしまいがちなのですが、正しくは「ラジカル制御型塗料」であり、塗料の中に劣化を促進させるラジカルが含まれているわけではないので安心してください。

ラジカル塗料は、塗膜の劣化の原因となるラジカルを発生させないようにすれば劣化しないのではないか、ということに着目して作られた塗料で、酸化チタンに特殊コーティングを施すことによってラジカルを発生させないというものです。

さらにラジカル塗料には、塗料の耐候性を高めるために光安定剤(HALS)という成分が配合されています。

光安定剤はラジカルが何かのきっかけで漏れ出してしまった時に、ラジカルを補足し抑え込むことができる添加剤です。

ラジカル塗料はこの2つの成分の働きによって、チョーキング現象を抑制することができるのです。

ちなみにラジカル塗料は酸化チタン(白色顔料)に特殊コーティングを施すという性質上、濃色系では特殊コーティングによるラジカル抑制効果を発揮できません。

そのため、色の選択幅が少ないのがデメリットと言えるでしょう。

外壁のチョーキングとはどんな現象? まとめ

悪徳業者の中には、外壁から粉が噴出しているからすぐに塗装しないと家が崩れるなどと不安を煽り、その場で契約を結ぼうとする手口もあるようですが、チョーキング現象はあくまで塗膜の劣化のサインであり、外壁が崩れるサインではありません。

とはいえ、チョーキング現象が起きている外壁というのは、防水機能が低下している状態になりますので、雨漏りが発生している可能性や今後雨漏りが起こる可能性は否定できません。

チョーキング現象に気付いた際は、なるべく早急に専門の業者に見ていただくことをおすすめします。

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