2025.12.15
地震後に必ず確認すべき外壁のチェックリスト
住まいにおける外壁は、雨風や直射日光、経年劣化などさまざまな外的要因から建物を守る重要な構造要素です。
しかし、これら一般的な負荷とは比較にならないほど大きな影響を与えるのが地震です。
地震が発生すると建物全体が大きく揺さぶられるため、外壁には想定を超える力が加わり、目視できる損傷だけでなく、内部構造の歪みや小さな亀裂など、気づきにくいダメージが生じる場合があります。
本稿では、地震後に外壁へどのような影響が出るのかを踏まえ、確認すべきポイントを体系的に解説いたします。
地震による外壁のひび割れは早期発見が重要

地震による外壁の損傷として最も多く見られるのがひび割れです。
ひび割れは、筋交いの変形や下地材のズレによって外壁に負荷がかかることで生じるケースが多く、特に窓周り・ドア周り・外壁の接合部・建物の角は地震の揺れが集中しやすいため、注意が必要です。
表面的なひび割れであっても、内部の構造材に影響が及んでいる可能性があるため、ひびの幅・深さ・長さを冷静に確認することが大切です。
特に0.3mmを超えるような明確な亀裂がある場合には、専門家による診断を受けることを推奨します。
地震後は外壁材の浮きや剥離にも注意が必要

地震後に確認してほしい次のポイントが、外壁材の浮きや剥離です。
地震によって外壁の接着強度が低下することで、一部の外壁材が浮き上がったり、タイルが剥離して落下したりする危険性があります。
軽微に見える浮きでも、放置すると雨水の侵入や内部腐食につながり、建物寿命を縮める要因になりかねません。
外壁を指で軽く押して弾力を感じる部分や、軽く叩いた際に空洞のような音がする部分がないか、丁寧に確認することが重要です。
地震後のシーリング材の破断は雨漏りの大きなリスクに

外壁の継ぎ目やサッシ周りに施工されているシーリング材は、地震の揺れの影響を強く受ける部位です。
地震によって外壁の揺れ幅が大きくなると、シーリング材が無理に引っ張られ、亀裂や破断が発生することがあります。
シーリングの破断を放置すると、雨水が建物内部に侵入し、柱や土台の腐食、断熱材の湿気トラブルなどを引き起こすため、早期の確認が欠かせません。
隙間や剥離がないか入念に確認し、損傷が見られる場合は確実な補修が必要です。
地震後の外壁内部に出るサインも見逃さないで
外壁表面が問題ないように見えても、内部で損傷が進行している場合があります。
たとえば、外壁の一部だけが不自然に湿っている、室内側の壁紙が浮いている、カビ臭がするなどの症状は、外壁内部の断熱材や下地材がダメージを受けている可能性を示しています。
地震の影響で外壁内部に雨水が侵入したり、結露が生じたりすると、外側からでは判断しづらいものの、建物の耐久性に大きく影響しますので、これらのサインは見逃さないよう注意が必要です。
地震後の外壁周辺の付帯部もあわせてチェックしよう

外壁とともに、外壁周辺の付帯部の状態確認も欠かせません。
特に雨どい、軒天、換気フード、霧除けなどは、地震の揺れで固定が緩むことがあります。
付帯部が損傷したまま放置すると、風によって外れたり落下したりする危険があり、外壁本体にも追加の負荷を与える可能性があります。
外壁と付帯部をセットで点検することが、建物全体を守るうえで非常に重要です。
地震後に必ず確認すべき外壁のチェックリスト まとめ
地震後の外壁点検は、単なる目視でひび割れを確認するだけでは十分とは言えません。
ひび割れの背後に構造的な問題が隠れている可能性があるほか、シーリング材の破断や外壁材の浮きなど、見落としやすい損傷も存在します。
地震 外壁の状態を正確に把握し、適切なメンテナンスを行うことは、住まいの耐久性確保に不可欠です。
少しでも気になる点がある場合は、早めに専門業者へ相談し、継続的に点検を行う体制を整えていただくことを強くお勧めします。