COLUMN 建物トラブル解決コラム

2021.10.6

安くてもダメ?高くてもダメ?外壁塗装工事の適正価格とは?

塗装、外装工事

外壁塗装工事を検討するにあたり、気になるのが工事費用ですよね。

外壁塗装工事は建物工事の中でも値段がわかりづらい工事の一つとされています。

実際に複数の業者へ見積もりを出してみると、値段が完全に一致することはなく、業者によってかなりばらつきが出てしまうのが外壁塗装工事なのです。

なぜこんなにもバラツキが出てしまうのかというと、業者によって得意としている工事が違ったり、職人さんの熟練度や材料の仕入れ方が異なるためです。

外壁塗装工事の適正価格とは?3つの業者に見積もりを依頼してみた!

築12年、そろそろ外壁塗装をと検討していたXさんが3つの業者に見積もりを依頼されました。

A工務店

見積もり価格60万円
セールス文句「60万円ポッキリ。この金額でやれるのはウチだけ。」

外壁塗装の相場価格は80~150万円(一般的な2階建て住宅)と言われていますので、費用に魅力を感じたそうですが、営業の方の身なりがボサボサでどことなく不信感を抱かれたそうです。

しかしこの見た目で判断する、というのはあながち間違いではありません。

塗り替えで失敗しないポイントに営業マンの見た目(第一印象)、話し方(説明のわかりやすさや専門知識の豊富さなど)、雰囲気(気軽に質問しやすい空気やこちらの要望を丁寧に聞いてくれるなど)がとても重要だからです。

折り目正しい態度であることや清潔な服装や身なりであることは、判断基準の一つとしてとても有効です。

また、相場価格からあまりに安すぎる見積もり価格の場合、手抜き工事をされる恐れや、後から追加費用を請求される恐れもありますので、価格で決めるのはあまりお勧めできません。

B塗装店

見積もり価格200万円
セールス文句「このままでは壁が崩れる。今すぐに契約を。」

ちょっと見ただけでこのままだと倒壊する、大変なことになると不安を煽って契約を急かすのは、悪質業者の代表的な手口です。

仮に、実際に劣化が進んでいる建物だったとしても、優良業者であれば念入りに外壁をチェックしてから見積書を作成しますし、状況をより詳しく説明するために劣化箇所を写真に撮って見せてくれたり、一緒に外壁を周りながら状況を説明してくれます。

Cペイント店

見積もり価格120万円
セールス文句「ウチは安くて早い。工期は通常の半分。」

見積もり価格が相場価格であることや、工期が半分になるならいいかも?と思われた方、ちょっとお待ちください。

工期が通常の半分になるということは、何らかの工程が省かれる可能性が高いです。

・ケレンを怠る・下地処理をしない

屋根や外壁の塗り替えにはケレン(サビや既存塗膜の撤去)や下地処理が欠かせません。

小さいひび割れなどは上から塗料を塗ってしまうと判断ができなくなってしまいますので、ぱっと見の仕上がりはとてもきれいに見えるかもしれませんが、下地処理が不十分だと、工事から僅か数年で剥がれや浮きがでてくる可能性があります。

・乾燥していないのに重ね塗りをする

塗料にはそれぞれメーカーが定めている乾燥時間というものがあり、乾燥が不十分なまま重ね塗りをしてしまうと早期の剥がれの原因となります。

一般的な外壁塗料の場合、乾燥時間は4時間ほどなので、工事を最短で進めようとした場合でも、下塗りから中塗りだけで8時間は必要となりますので、1日で仕上がるはずがないのです。

・3回塗りが2回塗りに

塗装は洗浄、下塗り、中塗り、上塗りの最低4日間の工程が必要になります。(弊社の場合)

3回塗りをしなければいけないところを2回で済ませてしまったり、3回目の上塗りを中途半端に終わらせるというのは手抜き工事の典型的な例です。

上塗りが中途半端だと塗料本来の性能を発揮することができず、塗膜が早く劣化してしまい寿命も大幅に短くなってしまいます。

結局Xさんはこの3つの業者をすべて断られたそうです。

外壁塗装工事の適正価格とは? まとめ

外壁塗装工事の適正価格・費用相場を知っておくことは、悪質業者に騙されないための知識となります。

しかし悪質な業者の中には適正価格を提示した上で手抜き工事を行う業者もいるため、適正価格だから安心ではなく、価格を踏まえた上で業者や営業の方の対応をしっかりと見極めることが、外壁塗装工事を失敗しない秘訣といえるでしょう。

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