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遮熱塗料ってどんな塗料?その効果や断熱塗料との違いを解説

2020.5.25

夏の暑さ対策や省エネ対策として効果が期待できる塗料に「遮熱塗料」があります。

「遮熱塗料」を屋根や外壁に塗ることでその名の通り遮熱効果を発揮し、建物内部の温度上昇を抑制します。

また「遮熱塗料」と似たものに「断熱塗料」がありますが、これはどのように違うのでしょうか?

今回は、「遮熱塗料」とはどのような塗料でどのような効果を得られるのか、また「断熱塗料」との違いについても解説します。

 

遮熱塗料とは?

遮熱塗料とは、太陽熱を反射させる効果のある塗料のことをいいます。

太陽の熱が物体に到達するとその一部は反射しますが、残りの熱は物体に吸収されたり、あるいは通り抜けたりします。

遮熱塗料はその表面の反射率を高めることで熱を遮断する塗料となります。

太陽光線は、紫外線が10%以下、可視光線が40%程度、近赤外線が50%程度の比率になります。

これらのうち最も熱作用が強いのは近赤外線になります。

つまり近赤外線の侵入を食い止めることが遮熱効果を発揮させるうえで重要になるわけです。

遮熱塗料は、おもに近赤外線を反射させる顔料を成分に含むことで、一般の塗料よりも日射反射率を高めることが可能な塗料になります。

 

遮熱塗料の効果について

建物の屋根や外壁に遮熱塗料を塗装した場合、どのような効果が期待できるでしょうか?

期待できるおもな効果は以下の通りです。

  • ・省エネ性の向上
  • ・環境への負荷軽減

 

 

省エネ性の向上

遮熱塗料を屋根や外壁に塗装した場合、塗装した部分の表面温度の上昇を抑えることができます。

表面温度が下がると、熱伝導も減って室内の温度上昇を抑えることにつながります。

住環境にもよりますが室内の温度は2~3℃の抑制が可能です。

エアコンの場合、室温が1℃変わると10%程度の節電効果があるといわれていることからも、その効果は大きいといえるでしょう。

 

環境への負荷軽減

室内温度の上昇を抑制すると、空調設備などの電力消費を抑えることにつながりCO2の排出が少なくなります。

また遮熱塗料を塗ると屋根や外壁が蓄熱することを防げるため、夜間になっても暑い状況が続く、いわゆるヒートアイランド現象の対策としても有効です。

ヒートアイランド現象は、各家庭の消費電力を高めたり、熱中症など健康被害をもたらしたりするだけでなく、ゲリラ豪雨など異常気象の原因ともいわれています。

このように遮熱塗料は、環境への負荷を軽減できる点で、社会的に重要な課題の一端を担うこともできるのです。

 

遮熱塗料と断熱塗料の違いは?

遮熱塗料と断熱塗料の違いについて解説したいと思います。

断熱とは、熱を断つことを意味し、伝道によって熱を伝えることを抑える性能のことをいいます。

伝道熱とは、固体が媒介することで伝わる熱のことです。

そして熱伝導率が高い媒体ほど熱が伝わりやすく、低いほど伝わりにくくなります。

例えば、熱い缶コーヒーを手に持つと手に熱が伝わりますが、この伝わり方が伝道によるものです。

金属缶などは熱伝導率が高いため熱移動が大きいですが、内部に無数の空気層を持つタオルなどは熱伝導率が低く、缶コーヒーを包むと熱は伝わりにくくなります。

この、手に熱が伝わりにくい現象が断熱効果によるものです。

断熱塗料は、塗膜に断熱性能を持たせることで熱移動を抑えるため、室内の温度は安定し空調効率を高めることにつながります。

しかも断熱効果は、夏だけでなく冬でも発揮できるという点では注目です。

ただし建物の断熱性能は塗料だけで高めることは難しく、総合的に検討する必要があることは理解しておくとよいでしょう。

一方で遮熱塗料は、熱を反射させることで温度上昇を抑えるわけですが、冬にも同様の効果が働き室内温度が上がりにくくなることもあります。

つまり、遮熱塗料は夏の暑さ対策としては有効でも、冬の寒さ対策にはなりにくいということです。

その他の特徴として、耐久性で比較すると断熱塗料は15~20年、遮熱塗料は10~15年となります。

また、材料コストは遮熱塗料のほうが割安になる傾向にあります。

 

まとめ

暑い夏を乗り切るための対策として遮熱塗料は効果的です。

しかし冬の寒さ対策にはなりにくいことは考慮しておく必要があるでしょう。

遮熱塗装、その他塗装に関することは、お気軽にお問い合わせください。

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