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防水界の優等生!シート防水とは?メリットとデメリットを徹底解説

2020.9.20

防水工事にはいくつかの種類がありますが、陸屋根の建物などの屋上でよく採用されているものに「シート防水」があります。

「シート防水」は、性能とコストのバランスがよいことなどメリットが多く、非常に人気の高い防水工事になります。

しかし劣化が進行すると「シート防水」特有ともいえる結合部や端部などに症状が現れやすいことも特徴のひとつです。

とくに台風シーズンには、結合部や端部などに現れた劣化の影響から、強風にあおられめくれが生じてしまうこともある点では十分な注意が必要になるでしょう。

今回は、「シート防水」とはどのようなものなのか、またメリットやデメリットについても詳しく解説したいと思います。

シート防水とは?

シート防水とは、屋上やベランダなどにシート状の防水材を敷き込み接着することで形成する防水層のことです。

シート防水の種類は2つ

シート防水で使う材料には大きく2種類あります。

  • ・ゴムシート
  • ・塩ビシート

 

ゴムシートは厚さが1.2~2mmとなり、耐久年数は10~12年になります。

一方、塩ビシートは厚さが1.5~2.5mmとなり、耐久年数は12~15年になります。

ゴムシートは厚さが薄く鳥が突いて破れやすいなど外的な衝撃にも弱い側面があるため、厚さのある塩ビシートが現在の主流です。

シート防水の工法は2つ

シート防水工事をするときの工法は大きく2つあります。

  • ・密着工法
  • ・機械固定工法

 

密着工法は、専用の接着剤を使って下地面に直接防水シートを密着させる工法です。

工期が短縮できる一方で、下地面の影響を大きく受けやすい特徴があります。

機械固定工法は、まず下地面に絶縁シートを敷き、その上に専用器具を使って防水シートを敷き込み固定する工法です。

下地面と防水シートは密着せず通気層を確保していることから、下地の影響を受けにくい特徴があります。

シート防水のメリットとは

まずはシート防水のメリットについて簡単にご紹介いたします。

  • ・工期が短くコストも安い
  • ・下地を選ばない
  • ・塗膜防水より耐久性が優れる

 

シート防水は、下地面にシートを覆い接着剤や熱を利用して防水層を形成する工事です。

したがって広い面積を短い時間で施工することが可能で、また工期が短くなると人件費も抑えられるためコストも安くなります。

またシート防水の機械固定工法なら、どのような下地でもその上から施工ができます。

例えば、塗膜防水など異なる種類の防水であっても問題ありません。

そしてシート防水は、ウレタン防水など塗膜防水よりも耐久性が優れることも特徴のひとつです。

塗膜防水の耐久年数が10年程度であることに対し、シート防水は10~15年の耐久年数が期待できます。

シート防水のデメリットとは

こちらではシート防水のデメリットについて簡単にご紹介いたします。

  • ・複雑な形状や設置物が多い場所の施工は難しい
  • ・強風がよく吹く環境は影響を受けることがある

 

シート防水は、複雑な形状や設置物が多い場所への施工が難しいといった側面があります。

というのもシート状の材料はジョイント部や端部の処理が必要になりますが、形状が複雑化するとその量が増えるためです。

隙間が生じることで雨水が侵入して雨漏りに発展しないよう、確実に処理をしなくてはいけません。

またシート防水は劣化が進行するとジョイント部や端部で剥がれが生じることがあり、そこに強風が吹き込み続けると全体がめくれてしまう場合があります。

とくに台風シーズンに被害が多い点でも注意が必要です。

シート防水まとめ

シート防水は、性能とコストのバランスがよい人気の防水です。

既存防水の劣化状態に影響を受けにくく、またその上から施工できることなども大きな魅力といえるでしょう。

防水のメンテナンスを検討していて、その場所の形状が複雑でなく設置物が少ないようならシート防水はおすすめです。

また台風が来る前には、強風によるめくれを避けるためにも点検をして劣化状況をチェックしておくとよいでしょう。

防水工事に関する相談や点検の依頼は、お気軽にお問い合わせください。

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